HIGASHIKURUME
TAKIYAMA
S-house,
tokyo
12 / 2010
日本の住宅史に少なからぬ足跡を残した、公団住宅。両親から受け継いだ東久留米・滝山団地の住まいを、30代の夫妻がリノベーションする。
ダイニングキッチンと茶の間の仕切りは取り払われ、広々としたLDK空間が生み出された。室内は、ナラの無垢フローリングにより温もりを与えられ、北欧家具を主役としたコーディネートで柔らかいイメージに統一。
収納・冷蔵庫・シンクが一列に並ぶ家事のしやすいキッチンや、コーナー部分にソファを設けた寛ぎスペース、動線をスムーズにする円形のダイニングテーブルなど、限られた空間の中でゆったり豊かに暮らす仕掛けが、随所に散りばめられている。
一方で、建築当初からの硝子引違戸は、壊さずに再生した。昭和の歴史遺産を生かしながら、機能性と快適性が満たされ、思い出に満ちた場は世代を超えて住み継がれていく。